回遊動線って何?回遊動線が好まれる理由とポイント
家づくりで『回遊動線』が好まれるのはどうしてでしょうか? 今回は、自由に動きがとれる回遊動線のよい家づくりについて考えてみましょう。
回遊動線ってなに?
回遊動線とは、日本従来型の住宅によくある廊下をあまり作らず、居室からほかの居室へと移動ができ、家の中の動線で出来るだけ行き止まりがないように設計をされた動線のことです。
回遊動線のメリット
①部屋間の移動が楽
間仕切り壁の少ない間取りの場合、一つの居室に二つ以上の出入り口を設置するだけで回遊動線が完成し、各部屋へのルートが多くなります。沢山の来客時にも渋滞が起こりづらくスムーズに移動が出来ます。また移動するとき、廊下を経由しなくてもよくなるので動線をショートカットできます。
②家事をスムーズに、生活をストレスなく送ることができる
水回り近くに回遊動線を持ち込むことによって、家事が楽になることもあります。イラストのようにキッチンと脱衣所をクローゼットで結ぶことで家事の連携がとてもよくなります。クローゼットをもっと大きく取ればユーティリティとして使用することもできます。
また朝の忙しい時間帯に洗面所の出入り口が一つだと混雑してしまいがちですが、出入り口が増えることによって緩和されます。
③家を広く感じる
家の中に行き止まりが多い家には、閉塞感を感じやすくなります。しかし、回遊動線は行き止まりを作らないように設計したものなので、開放感のある家になります。
回遊動線のデメリット
①個人のプライバシーを確保しにくい
一つの部屋にさまざまなルートで入室可能なため、家族間でのプライバシーの確保が難しいです。キッチンやリビングなどから洗面脱衣所へと自由に行くことができると、入浴時などに人の出入りが気になることもあります。
②収納スペースと動線が干渉しあう
回遊動線を取り入れることで、本来収納スペースを作れる場所を通路として使うため、収納スペースが狭くなることもあります。また、回遊動線が切れてしまわないように家具の配置も重要になってきます。家具を置いたら道幅が狭くなり、移動がしにくくなってしまったら悲しいですよね。そのためにも道幅確認が必要です。特に移動時に家具の角に服が引っ掛からないか、家具にぶつからないかのチェックしてみてください。
③広いスペースが必要な場合もある
回遊できるとして人気のアイランドキッチン。しかし一般的なシステムキッチンと違い、左右に通路をつくるため、設置する場合は広いスペースが必要となります。キッチンのタイプや配置箇所も重要になってきます。回遊動線の場合どうしても2方行に通路を作るため、それぞれの生活スペースが狭くなってしまうことがあります。
動線について最初に相談する
動線は間取りや家族構成など様々なものがかかわってきます。そのため、家づくりの初めから動線設計について相談することが重要になってきます。回遊動線を取り入れたいなどの要望は先に言ってしまいましょう。設計が進んでから動線について提案されるとプランの練り直しになってしまいます。思い切って最初に相談することが大切です。
まとめ
動線のスムーズさは、家族が快適に暮らすうえでとても大事です。家族構成や暮らし方に照らし合わせ、家づくりの初めから回遊動線を含めた動線設計をしっかり行って、快適な暮らしを実現させてください。